Gliderが持つ性能を引き出そう
(2017.6.12 日光周辺)
エンジンを持たないグライダーの持つ滑空性能をどこまで引き出すことが出来るか?それも楽しみの1つではないでしょうか。
DG300という機体は 30年前に設計された機体で、最良滑空比41@95km/h。最近のスタンダード機に比べ120km/h以上の速度になると徐々に引き離され、140km/h以上出すと沈みが大きくなります。この日は気象条件が見込め長い距離を飛びたかったので水バラストを入れみることにしました。
写真は右翼にポリタンクで水を入れている様子です。
2000年代までは日本選手権が開催されていて、この様な風景は春の滑走路で目にした光景です。
DG300も両翼とテールに水を最大180リットル搭載することが出来きます。
水を入れて機体を重くすることで翼面荷重を高めることができ、水の量で飛行速度を調整することが可能になります。
今回は久しぶりなのでハンドリングを重視し主翼60リットルとテールに2リットルを搭載しました。
130km/hでの沈みは改善され、コンバージェンスの沈下エリアも脱出が早くなり高度を落とさず良いエリアで高度を上げられる時間が相対的に長くなります。
一方で翼面荷重が重くなる分サーマルは感じられなくなり、またロール特性が悪くなる分の舵量が増える背反も出ます。
この日は、北関東をグルっと2周でOLC距離は336km。(平均速度76km/h)
写真のようにインターサーマルはがしっかり130km/hを使い、平均L/Dは「52」出てました。
水を入れて翼面荷重を高めたことで速い速度域が使えるようになり、その為、沈下エリアを早く脱出し良いエリアに留まる時間が増えたことによるものです。
(ちなみに同じコンディションで飛んだ日の平均L/Dは「47」でした。)
L/D を上げる、つまり機体を持ち上げるLift(上向き)成分を上げる事を意味しますから、上向き成分が相対的に多いエリアを選んで飛ぶ事が必要なんだと思います。
古い機体でも国内の300km程度のクロスカントリーなら十分です。
水バラストを始めて使う人は、慣れている人に教わり、少しずつ水の量を増やして行く事をお勧めします。
T.YOSHIOKA