Soarist Cafe に参加して、そしてクロスカントリーの世界へ!!!③
③初めてのO/L
市岡さんとのフライトを経験し、その翌週、日本グライダークラブが活動している板倉滑空場に戻った私の失敗談をこの章では共有致します。
風 板倉離陸時地上風:280°4m/sec, 上空風:280~290°10~12m/s
気温 最低気温4度 最高気温15度
気圧配置 下図
コンディション 板倉北約15km地点に東西に延びる雲を伴うコンバージェンス
13:31良さそうなコンバージェンスラインに釣られて、先週の記憶もあり、初めて曳航機にロングトウをリクエスト。(この日は大変西風が強かったです。)
板倉滑空場北東の太平山にて5000ftで離脱(風下!)。離脱後は6200ftまで上昇。西側にはコンバージェンスの雲底よりも低いところにちぎれた雲があったため、よりよさそうな東側のコンバージェンスに移動した。ほとんど失高なく次の+にヒット、旋転を継続し、風下に流れていく。トップは6500ft、ほぼ雲底であったため、これは小山ローカルに初めてすり鉢を移してみよう!と思い、より東に伸ばす。次の+にヒットしたのが5200ft程。(俯瞰図の三つめの旋転エリア)
ここで小山ローカルに移したものの、結構風下に流されるにきてしまったなと焦ってしまう、板倉のすり鉢に戻ろうという気持ちになり、西に前進。板倉から北東17kmの地点(思川)の真上で5200ft。この時点では、ちょうどOudieでは両滑空場の予想帰投高度は2800ft程であった。(ただ設定で風が考慮されていないので、自分が板倉に帰投できるかの判断基準にはならなかった。)
板倉フライトサービスに状況を聞かれたので、風下に流され、小山に向かうか悩んでいることを伝える。なるべく高度を上げて板倉に向かってくださいとアドバイスをもらう。
旋転をするが流される方が多く、高度は上がってもOudieでも板倉への予想帰投高度が減少していく。格闘しているうちに微かに残っていたコンバージェンスの名残りもなくなり、板倉の方角はブルーになってしまったので、東側の雲に寄せる。
板倉フライトサービスに板倉方面に雲がないこと、一度向かってみたが強烈なマイナスに出くわしたことを告げ、小山絹滑空場(板倉から東北東24km)に向かう意図を告げる。
小山絹滑空場に高度4000ftで到着。板倉フライトサービスに位置通報すると、小山絹へ降りる場合はグランド・リトリブの関係もあるので、速やかに降りた方が良いとアドバイスを受け、2000ftまで降下、滑空場の状況を確認して(障害物、人はいなかった)、吹き流しが西風3mくらいを指していたので、北向きに着陸することを小山ローカル(122.6)に告げ、15:23に滑走路01に着陸した。
その後、先週お世話になったKさんのファルケで16:29板倉滑空場へエア・リトリブしていただいた。
私がこのフライトから学んだこと
1.まず離脱したポイントが悪かった。もっと風上で離脱し、風下ではなく風上に進むフライトを計画すべきであった。「隣の滑空場に行ってみたい(小山絹滑空場)」という出来心があった。
2.自身が事前準備していた高度管理は無風時のもので、風に対する対応での決定方針が曖昧であった。各風に対するL/Dの変化とその時の最良滑空比速度を知っていなければ、Cruisingでグライドは伸びない。(GPSを含め事前の準備がもっと必要)
3.コンバージェンスラインは変化するものであり、帰投を担保するものではない。常に前に前進する時は、後ろの状況は刻一刻と変化するので、弱いプラスがあったときなど後ろを振り返るくせをつける。
検証
板倉から17kmの思川5200ftで、GPS上の風が280°40km/h(11m/s)の場合、板倉には戻れたのか?
1.当フライトの平均滑空比(mean L/D)は29であった。無風の考慮で板倉までの失高は約2600ft。上下の気流、向かい風を考慮しなければ十分帰投できる高度ではあった。
2. 対気速度120km/h、対地速度80km/hで上下の気流を平均-2m/sで通過すると仮定した場合、17kmでの失高は5100ftほどであった。上記仮定が続けばかなり怖い目にあったかもしれない。また2000ft上昇できれば板倉への帰投も選択肢に入ったかもしれない。
小山絹滑空場に降りてしまった筆者と相棒58HD(Soarist 市岡さん撮影)
帰りはファルケでフェリーバックしていただいた
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